紙すき

機械を使って、手すきの紙の風合いを再現するために...。
職人達は、日々、苦悩し尽力しています。

紙の原料、パルプ。水に溶かす前に、まず、折り畳んでおきます。
今回は、金銀入り大礼紙を漉くところを紹介いたします。
原料を水に浸して、破いて、ビーターの上にひっかけておく。
とうっ!とうっ!とうっっ!
少しずつビーターに原料を入れていく。
紙に色をつけるための染料。
怪しい煙が立ちのぼっております。
飲めない。し、誰も飲まない。
ジョバジョバジョバ。
大胆に原料と混ぜ合わせる。
分量を誤ると紙の色、風合いがガラリと変わるため、
熟達したものにしか出来ない行為。
ぐるぐるぐるぐる~。
ビーターの中で原料が回る。
流れるプール(シュレッダー付)みたいなイメージ。
原料を細かく砕き、染料と馴染ませつつ溶かしていく。
決して飛び込んではいけない!
チェストン。
チェストン内部。さらにかき回す。
チャールストンとは無関係。この時点で原料は
"ルウを入れすぎたカレー"みたくなってます。
そして原料はパイプを通って進んでいく。
ゴゴッ、ゴゴゴゴ~。
特殊なろ過装置を経て、原料が毛布にひっついて出てきます。
超、超極太麺みたいな感じ。
いわゆる地紙です。
にんにきにきにき~。
こちらは地紙にかける用の金銀の細かい粒。
繊維が長い原料。
粘剤(ねり)。どろろ~ん。
それらをよ~くかき混ぜまして...、
さきほどの極太麺(地紙)の上からかけるのです。
ジョバジョバ。
真上から見たところ。
で、ドライヤーを通って出てくるのであります。
うにうに~。
良い味が出ております。
ちぎって置いていきます。出来上がりであります。
ドライヤーとたわし。
ドライヤーは原料で汚れるので1日1回たわしでこすって洗います。
ここから...、
ここまで。
しゃかしゃかしゃかしゃか。
電源が入った"アツアツ"のアイロンをたわしでこすってるようなもの。
しかもドライヤーはバカデカイので辺りは熱気ムンムン。
ひたすら、しゃかしゃかしゃか。
苛酷だ。おそろしく苛酷だ。
二人の背中に哀愁がただよう...。
ドライヤーを洗い終われば紙すきの1日は大体終わりです。
おつかれ様でした。

この行程を担当する職人達!

伊藤 貞助

Teisuke Ito

God hand

匠の極限。一切の無駄を排除した動きから生み出される紙製品の驚くべき均一性。彼は間違いなく人間であるが、その技は神の領域に踏み込んだ。

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