漉好で出来あがる紙 〜表面の質感について〜
紙には表(おもて)と裏(うら)があり、一般的には
触った感じがツルツルしている面が表(おもて)
とされています。
手漉きの紙であれ、機械漉きの紙であれ、紙を漉く過程で、湿った紙を、
何か(手漉きの場合は主に銀杏の木の板、機械漉きの場合は鉄板やドライヤー)に密着させて乾かすわけでして、
↑銀杏の木の板に丁寧に紙を貼る岩野市兵衛氏親子。
↑すっかり乾燥した紙をドライヤーからめくり取る山路博志。
必然的に
銀杏の木の板やドライヤーに密着していた面がツルツルになる
ので、その面が
世間的に紙の表(おもて)として規定されている
だけの話(だと私は個人的に思う)なんですよねぇ。
あくまで風合いという意味においてなら、むしろ
世間的に紙の裏(うら)とされているザラついた面の方がおもむき深い
気もするんですが…。
ただ、平滑度の高いツルツルした面ですと、印刷する際インクがのりやすく
比較的印刷がしやすいという風に言われてはいます。
↑当社の影の仕事人、DocuCentre Color 240 CP氏。
そこで、ご参考までに当社備え付けのレーザープリンタでちょっと実験してみたところ…
↑ツルツル面に印刷してみたおれはジャイアンさまだ!の歌詞の一部
↑ツルツル面に印刷してみたおれはジャイアンさまだ!の歌詞の一部の拡大画像
(きれいに刷り上がっています:「無敵の男」の下あたりに、“漉”という文字がうっすら透けているのがおわかりになりますでしょうか…)
↑ザラついた面に印刷してみたおれはジャイアンさまだ!の歌詞の一部
↑ザラついた面に印刷してみたおれはジャイアンさまだ!の歌詞の一部の拡大画像
(きれいに刷り上がっています:「無敵の男」の下あたりに、“好”という文字がうっすら透けているのがおわかりになりますでしょうか…)
・・・、
というふうに比べてみたんですけど、あんまり変わらない模様なのですよ。
あくまで
レーザープリンタで印刷する場合に限って
ということにはなりますけど…。
それと、この機会に是非とも皆様にお伝えしておきたいのは、
インクジェットプリンタであれ、レーザープリンタであれ、
意外と和紙も使えますよ!
ということであります。
あんまり威張って言うようなことでもないですけど
当社では、長年にわたって切れ端や失敗作など
余分な和紙をコピー用紙として使い続けている
自信と経験がございます。
確かに普通のコピー用紙に比べると
紙づまりが発生しやすい
とは思いますが、そんなにしょっちゅうあるわけでもないので、もし
和紙はプリンタに通らない
という先入観をお持ちの方がお見えになるのであれば、そうとも言い切れませんよ!と、
お伝えしたい気分で一杯なのであります。
また、当社では紙の印刷適正を向上させるために表面をコーティングする
という加工もやってますので、どうかお気軽にお問い合わせ下さいませ。
↑ザラついた面を表にして漉好のすかしを入れた紙
注*)ちなみに漉好で漉く紙はすべて機械漉きです。