2004年7月1日〜7月9日の間、岩野市兵衛様のご自宅にちょこちょことおじゃました時の様子をやや脚色して小芝居風に編集してみました。人間国宝として生きる生活がちょっとだけ見えるかも?
ご堪能あれ−−っ!
「たのもうー!」恐れ多くも和紙界ひいてはものづくり界の頂上ともいえるお方、人間国宝(重要無形文化財)岩野市兵衛(いわのいちべえ)様の敷地にドカドカと入っていくミチビッチ氏。和紙の歴史そのものみたいな存在と対峙したのはいいけれど…、
ミチビッチ氏、あっさりやられちゃいました。
・岩野市兵衛さん…国指定重要無形文化財、越前生漉奉書(えちぜんきずきほうしょ)保持者。俗に言う人間国宝。九代目。 実の父である八代目岩野市兵衛が漉いた紙はかのパブロ・ピカソが愛用したといわれる。古くから伝わる紙漉きの技法で書家や版画家などに圧倒的に支持される紙を漉く。
・岩野順市さん…市兵衛さんの息子さん
・岩野勇さん…市兵衛さんの弟、実はTAKIPAPERスタッフ・Terrible flame。
・プレドラグ ミチビッチ以下「ミチ」
(敬称略でお届けします。)ミチ: ども−−!!
一同: ……し−ん……。
勇: 言うといたと思うけど、うちの会社のなんちゅーか困ったオッサンで、
なんかいっぺん現場を見せてやってくれや…。(と市兵衛さんに耳打ち)
市兵衛: あー、そうですか。そういうことでしたら、どうぞどうぞ。
ミチ: ども、よろしくお願いします。作業中にご迷惑やとは思うんですが、写
真を撮ったりあいまにお話を聞かせてもらったりしていいスか?!
市兵衛: いいスか?!も何も、もうしてるでね〜かの!…ふふふ。
ミチ: スンマセン、ははは…。そんなわけで、とにかくはじめに市兵衛さんの
顔写真をドスンと撮りたいな−、なんて思うんですが…。
市兵衛: お。いいざ、いいざ。(いいざ=方言で「OK!」の意)
ミチ: パシッ!とな。
にこやか市兵衛氏
勇: ほんなら「うら」現場があるで帰りますでの。(「うら」=方言で「俺、私」の意)
岩野勇、Terrible flame。
ミチ: あ〜、やっぱ兄弟でそっくりっすね−。なんか分からんけど、いいわ−。
市兵衛: なにがいいんじぇえの〜?
ミチ: いやいや、良いじゃあないですか。その−、元のさやにおさまるみたいな感じが、なんとなく…。
おやっ…?!
市兵衛: このごろ、しな〜っと「うら」の写真を撮って、いや、写真を撮ること自体はかまわんのですけど、アマチュアカメラマンていう感じの人なんかの〜う、コンクールみたいなのに無断で写真を出してまいなさるんやわ。いっぺん大阪のいとこから急に電話がかかってきて、駅かどこかは忘れたんですけど
「あんたの写真だらけになってるざ!」
って言うてるんやわ。「うら」そんなこと聞いてないしの〜、びっくりしてのう。なんかそういうふうなんやわ。「うら」恥ずかしがりやさけ、嫌やがね、どうしようもないですがね。「ほやさけ」(方言で「だから」の意)、コンクールみたいなのに出すっていう写真の撮影は断わってるんですわ。
ミチ: はぁ〜。ほんならホームページに写真のせるのもアカンのですかね〜?
市兵衛: いやそれはアカンも何も、もうそうやってホームページに「うら」の写真をのせてもらってしもてるとこがあるでね、結構「うら」もホームページとか知ってるんやざ。ほやでそれはいいですよ。
ミチ: ありがとうございます。…ということはひっくるめてOKってことでいいんですよね?
市兵衛: はい。
プレドラグ ミチビッチ
Predrag Michivic
Mr. Michivic
国際的なサッカー選手プレドラグ・ミヤトビッチは遠い血縁関係にあたり、星占いをこよなく愛する、夢見がちで妄想癖ないつもひとりでブツクサ言ってる困ったおっさん。TAKIPAPER研究開発企画部門の顧問キャラクター。
カボちん
KABO-chin
TAKIPAPER総合折衝担当見習い助手。どんなにこんがらがった交渉ごとも、彼女が1本電話を入れるだけであっさり解決しちゃう!的なことを夢見て描かれたキャラクター。